Kabamy32のお知らせです。
定員はありませんが、人数把握のため参加希望の方はkabamy@kaban-tanka.jp(Kabamy専用アドレス)までなるべくご連絡をお願いします。当日飛び入り参加も可能です。
終了後に二次会(喫茶店)があります。

 

【日時】
日時:12/15(土) 14時-17時
場所:かたらいの道市民スペース 第2会議室 ※最寄:JR三鷹駅
地図:http://www.musashino-culture.or.jp/sisetu/katarai/top.html
会費:300円

 

【企画】
ふる歌の歌会

 

【内容】
今回は「ふる歌」(袖にする歌)に挑戦してみようと思います。
最近は難しそうなテーマ、歌いにくいテーマの歌作りに挑戦して、なぜ歌にしにくいのかを考えてみる形式が多いです。二次会で他にそのようなテーマはあるか話したところ、失恋の歌でも主人公が「ふられる」歌(希望かなわず失恋してしまう歌)は多そうだが、逆に「ふる」(主人公が能動的に恋愛を終わらせる歌)は少ないのではないかということになりました。
歌謡曲でも同じような傾向はありそうです。

というわけで今回のテーマは「短歌でふる歌を作るのは難しいのか? 難しいとしたら、それはなぜか」をみんなで考えることとします。

みなさんが考える「ふる歌」をお待ちしています。

 

【進め方】
前半 ふる歌の歌会
 題詠「ふる歌」(袖にする歌)で歌会。
 ※読み込み指定なし。主体が「ふる」様を描いていることとします。
 ※大枠として恋愛対象に別れを告げること、求愛を冷たくあしらうことなどを指す「ふる」の意味で捉えてください。基本的には作者の定義で構いませんが、他の参加者の納得できそうな範囲でお願いします。
 ※参加者は作歌にあたって参考資料「これもふる歌?集」を一度は参照のこと。


後半 座談会 テーマ「ふる歌を作るのは難しいか?」

 

【事前課題について】
・参加者は以下の課題をお願いします。
 題詠「ふる歌」にて短歌を一首提出する。12/13(木)まで。
 提出先:kabamy@kaban-tanka.jp
・歌の提出はせず見学のみの参加も可です。

 

【参加資格】

・会員、購読会員のどなたでも参加できます。事前連絡なしで当日飛び入りの参加も歓迎です。

・非会員で参加を希望される方は事前の連絡が必要です。

 

 

【参考資料】これもふる歌?集(闇鍋調べ。表記ミスなどがある可能性があります)

  • 「そら豆って」いいかけたままそのまんまさよならしたの さよならしたの 東直子
  • あつみくん、さよなら(亀のサブロウが空輸されてく)恋人でした    笹井宏之
  • キスされてばっかりだったさよならを言いだしてから言い終えるまで    木村友
  • 髪一つみださぬ君にわが手もてかざさむ花もあらぬ別れよ    与謝野鉄幹
  • やらじとはかの人の子もわれに云ひぬつよく別れて別れて笑まむ    与謝野鉄幹
  • さらば君いざや別れむわかれてはまたあひは見じいざさらばさらば    若山牧水
  • いはれなく君を捨てなむ別れなむ旅役者にもまじりていなむ    前田夕暮
  • アウシュヴィッツに曳かれゆきたる汝が民を語らず別れき雪つもる夜半    秋山佐和子
  • お別れを泣かないで言うひんやりと畳の上に居心地悪く    田中槐
  • 青林檎与へしことを唯一の積極として別れ来にけり    河野裕子
  • あの人とお別れしました青い鳥やってたことがとうとうばれて    植松大雄
  • 別れ話を抱えて君に会いにゆくこんな日も吾は「晴れ女」なり    俵万智
  • 白和えを作ってあげる約束のこと思い出す別れたあとで    俵万智
  • 唇を合わせるだけのキスをして別れ話は台本どおり    俵万智
  • お別れに君に贈った花の名を忘れた頃にまた会いましょう    辻井竜一
  • 煮え切らぬきみに別れを告げている細胞たちの多数決として    九螺ささら
  • どうせ二人は別れねばならずと薔薇ばなの根もとに蝶を生き埋めにす    前川佐美雄
  • エレベーター十五階分死んでいた 誰より君にさよならしたい 植松大雄
  • 一瞬の痛みで済めば歯でちぎるささくれみたいなさよならあなた 石原美紀
  • 僕がいてもいなくても君は立てるからそんな泣きそうになるさようなら 小島左
  • 君がためあらん限りのハレルヤをさよならしたのは十字路だった 小島左

以上、よろしくお願いします。

Kabamy31のお知らせです。
定員はありませんが、人数把握のため参加希望の方はkabamy@kaban-tanka.jp(Kabamy専用アドレス)までなるべくご連絡をお願いします。当日飛び入り参加も可能です。
終了後に二次会(喫茶店)があります。

 

【日時】
日時:9/9(日) 14時-17時
場所:かたらいの道市民スペース 第2会議室 ※最寄:JR三鷹駅
地図:http://www.musashino-culture.or.jp/sisetu/katarai/top.html
会費:300円

 

【企画】
美味しそうな、歌会。

 

【内容】
今回は美味しそうな歌に挑戦してみようと思います。
前回「トマト」の歌を扱っている中で、味について直接表現した歌は少ないのではないか?特に、美味しいを表現した歌は少ないのではないか?という話題が出ました。
そもそも美味しいをきちんと表現するのって難しいのでは?ということで、今回のテーマが決まりました。

今回のテーマ:「短歌で美味しそうだと感じさせる歌を作るのは難しいのか? 難しいとしたら、それはなぜか」をみんなで考える

そのために、美味しそうな歌を作ってみて、気づいたことを話し合います。
みなさんが考える美味しそうな歌、お待ちしています。

 

【進め方】
前半 美味しそうな歌会
 題詠「美味しそうな歌」で歌会。
 ※食べ物、飲み物について美味しそうだと感じさせる歌。読み込み指定なし。
 ※参加者は作歌にあたって資料「美味しそうなことばの表現集」を一度は参照のこと。

  「美味しそうな言葉の表現集」(かばん内アンケートにて作成)


後半 座談会 テーマ「美味しそうな歌を作るのは難しいか?」

 

【事前課題について】
・参加者は以下の課題をお願いします。
 題詠「美味しそうな歌」にて短歌を一首提出する。9/7(金)まで。
 提出先:kabamy@kaban-tanka.jp
・歌の提出はせず見学のみも可。

 

【参加資格】
・会員、購読会員のどなたでも参加できます。事前連絡なしで当日飛び入りの参加も歓迎です。
・非会員で参加を希望される方は事前の連絡が必要です。

Kabamyレポート(第三十回)二〇一八年六月十日(日)
 於かたらいの道・市民スペース(第1会議室)
 

【参加者】高柳蕗子、久真八志、飯島章友、藤島優実、沢茱萸、山下一路、屋上エデン、木村友

今回は高柳蕗子さんの歌論集「短歌の酵母」(沖積舎)を扱います。その中でも巻頭の評論「トマトぐっちょんベイベー!」をテーマにします。

 

〇「トマトぐっちょんベイベー!」の要点
・「潰れたトマト」と「虐げられる人体(生命)」のイメージの結びつき。歌語としての暗示力の獲得。
・「トマト」を爐澆鵑吻瓩撚慮譴望些覆気擦襦爐澆鵑覆亮衒銑瓩箸い視点

 

〈前半〉歌会
題詠「トマト」(詠みこみ指定あり。ただし別名称は使用可) 参加者は作るにあたって「トマトぐっちょんベイベー!」を一読してくること。
無記名の状態で詠草を配布。良い歌に投票する(持ち点は自由)

 

・塩付きのしっぽふりふり肺がんの犬噛み砕く黄色いトマト 久真八志
2点:「黄色いトマトを犬が噛み砕く」のか、「黄色いトマトが犬を噛み砕く」のか。飛躍が多いのでどちらの意味にも取れてしまう。
黄色いトマトが食べているとするとパックマンのようなモンスターを想像する。塩付きのしっぽが修飾としてどう機能しているのかわからない。

 

・表情筋もたぬトマトの放血のざまにおもわず汚言症アゲイン 高柳蕗子
4点:まずプロレスの流血シーンを思い出した。加害者や被害者のいる風景がトマトを使ってうまくやわらげられている。
「汚言症アゲイン」の言い方が新しい。耳に残る。
「ざまにおもわず」のところで少し勢いが削がれているので、他の表現があるのでは。

 

・ポリティカルコレクトネスと唱へたらトマトのしみもみるみるきえる 
飯島章友
4点:「ポリティカルコレクトネス」が呪文でもあり洗剤の商品名のようでもある。
トマトのしみはトマトの色素沈着か?→洋服のしみではないか。
偏った意見(偏見)が汚れに喩えられており、そのような意見が公の場から姿を消している。それがポリティカルコレクトネス。人間臭い意見が漂白される現代の状況を描いているのでは。
トマトを用いた必然性はないかもしれない。

 

・トマトからトマトへ進む 縫うように食い散らかしてぼくは煙草蛾 
藤島優実
6点:煙草蛾は野菜一般を食べる害虫。トマトの表面の虫食いは煙草蛾の幼虫の仕業。結句の言い切りなどから、「ぼく」の高い自己肯定感を感じさせる。この歌もトマトが虐げられるイメージを利用している。
人間からは害虫だが、煙草蛾にとっては食い散らかすのは当たり前。その世界観の違いに面白みがある。
上句はあまり工夫がなく、効果がないのではないか。

 

・まだ若いトマトの青いにおいかぐ まるごと火事は海馬をわたる 沢茱萸
2点:青いトマトから火事(赤)につながる連想が面白い。「まるごと」がトマトを丸かじりしたような感触も想起させつつ、記憶が海馬を渡る感覚を強めている。
「若い」と「青い」は意味が重複しているのでどちらかでよいのではないか。
トマトのにおいと鍛冶の記憶が結びつく展開は、小説などならば魅力的な一節になり得る。

 

・桃太郎口いっぱいに頬張れば目から鼻から夏はとびだす 山下一路
4点:「桃太郎」はトマトの品種。しかしこの歌はキャラクターの桃太郎をかじっているかのように一瞬思わせる効果がある。
「夏はとびだす」とあるが、トマトをかじった描写のために、目から鼻からトマトジュースが飛びだすインパクトのある光景が浮かぶ。
夏とトマトとのつながりは順当なので(トマトは夏の季語でもある)、おさまりが良すぎるかもしれない。

 

・トマト投げ祭の赤い雨のなか昔のきみと出会ってみたい 屋上エデン
3点:「トマト投げ祭」はスペインの祭。街中が赤い洪水のようになる光景がニュースなどで流れる。
あくまで会いたいのは「昔のきみ」であって、「今のきみ」ではないところがポイントだろう。「昔のきみ」は永遠に変わらない存在であり、「今の私」はそれを求めている。
ところで現在の私の状況は、実際にトマト投げ祭の場にいるのか、トマト投げ祭の中で会いたいこと自体が比喩なのか、判然としない。

 

・道化師を庭に立たせてみたけれど手にも鼻にもトマトはならず 木村友
6点:他の歌と異なり、トマトの不在を詠っている。道化師を立たせる=いじめることが、虐げられる体=トマトのイメージと繋がっているので、そこで不在とする結句の意外性が効果をあげている。
道化師は普通ならば手品で花を出すので、手にトマトがなるというイメージもうまくつながっている。鼻ももともと赤いので同様。

 

〈後半〉座談会「今回の企画で歌を作るときに、考えていたこと」
・久真八志
赤いトマト以外のトマトを詠もうと考えた。黄色いトマトはつぶれても血ではなく、膿などの体液のイメージがあった。よって肺がんなどのイメージが出てきた。

 

・高柳蕗子
トマトが潰されるイメージを一歩進めて、トマトが残虐性をかき立てるようなイメージを考えた。トマトの感情が表されない気がしたので、表情筋を入れた。

 

・飯島章友
「直接的に言いにくいことを表せる歌材を歌人は探す」「みんなの手柄」などの視点を意識した。政治用語によってみんなの手柄が無化されるようなイメージが浮かんできた。

 

・藤島優実
プレイボーイのイメージで詠んでみた。トマトを詠むにあたって被害の連想から遠ざかり、楽しい雰囲気の歌にしようとしたのだが、結局はトマトが食い散らかされる女性の身体っぽくなってしまった。

 

・沢茱萸
潰れトマトの連想脈から離れようと意識し、飛躍のある形になった。読者に物語を喚起させるような歌になってしまったことは反省点。トマトのヘタの匂いは好きで取り入れてみた。

 

・山下一路
虐げられたものという連想から離れようと、明るい雰囲気で作ってみた。トマトとするよりは桃太郎と具体名にした。下句の夏は飛びだすはもう少しひねってもよかったかもしれない。

 

・屋上エデン
トマトと人間の血や命とのイメージのつながりを意識した。トマト投げ祭りのどろどろした光景に血まみれのまま生まれ変わるという連想を持った。そのため「昔のきみ」に会うという展開になった。

 

・木村友
虐められるイメージからは離れたいと思って詠んだが、実際は道化師が虐げられる様を表してしまっていた。立っている道化師のイメージは中原中也の詩から。

 

〈参加者より〉
・評論を読み、虐げるイメージをそのままに使わないように気をつけた人も、結果として虐げるイメージが歌に入った例もあって、「トマト≒心身の虐待」という連想脈は暗示表現にうってつけのレベルであり、作者の思い通りに操れない無意識領域ひたひたのあたりの表現であることもうかがえた。
・提出された八首すべてを時間をかけて鑑賞することができて、とても有意義に感じました。今回の「トマトぐっちょん歌会」では最後に作者が自分の作品についてコメントする時間が設けられ、それがとても面白かったです。作者の意図と「読まれ方」がかけ離れていた作品もいくつかあり、まさに短歌(歌語)が酵母菌をみるみる繁殖させているのを目の当たりにしたような、多少大げさですが、そんな印象を持ちました。        
(記/久真八志)